日本における「右翼・左翼」思想の変遷

日本における「右翼・左翼」の思想や捉え方は、時代の変化や歴史的出来事によって大きく変遷してきました。以下に主な時代ごとの流れを時系列でまとめます。

🏯【幕末〜明治時代（1850年代〜1910年代）】

▶️ 背景

• 西洋文明の流入・開国

• 明治維新による急激な近代化・中央集権化

▶️ 主な思想的対立

• 「尊皇攘夷」：伝統・天皇中心 → 現代右翼思想の原型

• 「開国・欧化」：進歩・近代化重視 → 後の左派的志向につながる

🎌【大正時代（1910年代〜1920年代）】

▶️ 背景

• 第一次世界大戦後の民主化の機運

• 大正デモクラシーの時代

▶️ 右翼傾向

• 国家主義や軍部への支持が徐々に強まる

• 民族主義的な思想や排外主義も台頭

▶️ 左翼傾向

• 労働運動や社会主義運動が活発に

• 日本共産党が1922年に結成（非合法）

🪖【昭和前期（1930年代〜1945年・戦前戦中）】

▶️ 背景

• 世界恐慌 → 軍部台頭 → 戦争へ

▶️ 右翼

• 国家神道・天皇絶対・軍国主義

• ファシズム的・全体主義的傾向

• 反共主義（共産主義への強い敵対）

▶️ 左翼

• 弾圧の対象となる（治安維持法で多数逮捕）

• 非合法活動化・地下に潜伏

🕊️【昭和後期（戦後〜1970年代）】

▶️ 背景

• 敗戦・アメリカ占領 → 日本国憲法制定（1947）

• 冷戦構造と高度経済成長

▶️ 右翼

• 保守政党（自由民主党など）による政権維持

• 国体・天皇・日米同盟重視

• 「新右翼」も登場（民族派、街宣活動など）

▶️ 左翼

• 社会党・共産党の台頭（憲法9条擁護、反戦・反核）

• 60〜70年代に学生運動が活発化（全共闘、安保闘争）

• 過激派（連合赤軍など）の登場 → 国民の支持低下

💼【平成時代（1989〜2019）】

▶️ 背景

• バブル崩壊、グローバル化、格差の拡大

▶️ 右翼

• 保守思想の再評価（教育再生・伝統回帰）

• 歴史認識問題（慰安婦・南京事件など）で右傾化の議論

• ネット右翼（ネトウヨ）の登場

▶️ 左翼

• 社会党の衰退 → リベラル系政党へ分化（社民党、立憲民主など）

• 平和・人権・ジェンダー平等を重視

• ネットやSNSでの発信強化

📱【令和時代（2019〜現在）】

▶️ 背景

• ポスト真実時代、SNSの普及、政治不信

• コロナ禍、ウクライナ侵攻、台湾情勢などで安全保障への関心高まる

▶️ 右翼

• 保守層のネット上での発信力が強化

• 憲法改正や防衛力強化を主張する声が強まる

• 統一教会問題などが再注目される

▶️ 左翼

• 若者や都市部でのリベラル回帰の兆し

• ジェンダー平等、LGBTQ、環境など社会派テーマで発信

• ただし「左翼」というラベルを避ける傾向あり（代わりに“リベラル”など）

🧭 傾向まとめ