
日本における「右翼・左翼」やその他の政治的思想の発展(幕末から現代まで)
日本における「右翼・左翼」やその他の政治的思想・立場は、西洋の政治思想の影響を受けながら、明治時代以降に本格的に形成されました。以下にざっくりとした時系列で紹介します。
🏯 幕末〜明治初期(19世紀後半)
● 背景
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欧米列強の影響と明治維新による近代国家形成の開始
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封建制度の崩壊と中央集権国家の形成
● 思想の流入
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自由民権運動:西洋のリベラリズム(自由主義)に影響され、個人の権利や議会政治を訴えた
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例:板垣退助、植木枝盛
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国家主義・天皇中心主義:明治政府による統治の正統性の確保
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例:教育勅語(1890年)
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🏛️ 大正時代(1912〜1926)
● 大正デモクラシーの時代
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政党政治・言論の自由が比較的広がる
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社会主義やマルクス主義もこの頃に本格的に日本へ
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労働運動・農民運動の高まり
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右翼的思想も強化(国家主義者によるテロやクーデター未遂など)
⚔️ 昭和前期(戦前・戦中)
● ファシズム・軍国主義の台頭
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国家主義・軍部主導が強まり、左翼的思想や自由主義は弾圧
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**治安維持法(1925年)**で共産主義者などが取り締まり対象に
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戦時体制では「国体」や「皇国史観」が全面に
🕊️ 戦後(1945年以降)
● GHQによる民主化政策
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日本国憲法(1947年)で平和主義・基本的人権・民主主義が明文化
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左右の思想が一気に噴き出す
左翼:
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社会党・共産党などが勢力を伸ばす(労働運動・学生運動も活発に)
右翼:
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保守政党(自由民主党)が台頭
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伝統的価値観・天皇・国防などを守る立場
🌀 現代(1990年代以降〜)
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冷戦終結により左右の明確な対立はやや弱まる
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「右」や「左」という言葉自体があいまいに使われるように
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ネットの登場で新たな「ネット右翼」「リベラル左派」などが登場
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ポピュリズムや中道・現実主義的な立場が増加
✅ まとめ
時期 | 主な思想の流入・特徴 |
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幕末〜明治 | 自由主義、国家主義の萌芽 |
大正時代 | 民主主義、社会主義の広がり |
昭和戦前 | 軍国主義・国家主義の極端化 |
戦後 | 左右の自由化と民主化 |
現代 | 多様化・イデオロギーの混在 |