
なぜ合区? 鳥取・島根、徳島・高知が1つの選挙区になった理由
参議院選挙で「鳥取・島根」「徳島・高知」が1つの選挙区(いわゆる合区)となっているのをご存じでしょうか?
この記事では、なぜこの4県が合区になったのか、その経緯と背景をわかりやすく解説します。
合区が導入された理由:一票の格差是正
参議院選挙では、都道府県ごとに定数が割り当てられます。しかし、人口の少ない県にも都市部と同じ議席が与えられていることが問題視され、「一票の格差(投票価値の不平等)」が深刻になっていました。
この格差に対し、最高裁判所は2012年に「違憲状態」と判断。国会は是正のために、2015年に公職選挙法を改正し、合区制度を導入しました。
合区された選挙区一覧(2016年選挙から適用)
選挙区 | 対象都道府県 | 改選定数 |
---|---|---|
鳥取・島根合区 | 鳥取県+島根県 | 1名 |
徳島・高知合区 | 徳島県+高知県 | 1名 |
これにより、該当4県は単独で候補者を出すことが難しい状況になり、地域代表制の意義や民主主義のバランスが問われるようになりました。
なぜこの4県が選ばれたのか?
当時、合区対象となったのは全国で最も人口が少ない4県でした。
- 鳥取県:約55万人
- 島根県:約70万人
- 徳島県:約75万人
- 高知県:約70万人
人口を基準にすると、これらの県は単独で定数1を維持することが難しいと判断され、合区の対象となったのです。
合区の課題と今後
合区は「一票の格差」の是正には一定の効果がある一方で、地方では以下のような問題も指摘されています。
- 地元出身の候補者が出にくくなる
- 県民の声が国政に届きにくくなる
- 政治的な関心・参加意欲の低下
一部の政党や自治体は合区の解消や代替制度(ブロック制など)を求めており、制度の見直しが今後の争点になりそうです。
まとめ
- 合区は2015年の法改正で導入され、2016年参院選から適用。
- 一票の格差を是正するための暫定措置として導入された。
- 対象は「鳥取・島根」「徳島・高知」の2つの選挙区(計4県)。
- 今後、制度をどう見直していくかが問われている。
選挙制度は私たちの「声」の届け方に直結する大事な仕組みです。正しい知識を持って、賢く選挙に臨みましょう。